医食同源

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医食同源とは完全な造語です。

中国には「医易同源」という言葉があります。「医学」と「易学」は同じ源だという「張景岳」の思想です。張景岳は「景岳全書」の中で、易や理学等の哲学思想の知識を運用して医学の理論的な方面を研究し、易理を用いて医学を解釈し、医易同源の観点を主張しています。

また中国にはもともと、「薬食同源」という言葉があり、現存する中国最古の医学書『黄帝内経』においても“五穀為養、五果為助、五畜為益、五菜為充、気味合而服之、以補益精気”、という「食」の医療作用を明確に解説しています。

つまりここで言う「」とは医学という学問のことで「医学」と「易学」は同じ源だという事はできても、「医学」と「薬」は同じ源といえばおかしいように、「医学」と「食事」は同じ源という表現は明らかにおかしいでしょう。

「薬」と「食事」は同じ源、「医学」と「易学」は同じ源と呼ぶことはできても、「医学」と「食事」という明らかにカテゴリーが違うものを組み合わせたのは大変おかしいのですが、日本で一般的に普及してしまったため、中国にも逆輸出してしまった経緯があります。(現代使われている中国語の60%以上は日本から輸入されたという説もあります。例えば、中華人民共和国の「人民」と「共和国」は日本から輸入された単語です。)

”医食同源の初出は1972年、NHKの料理番組『きょうの料理』の特集「40歳からの食事」において、臨床医「新居裕久」が発表したものです(NHK「きょうの料理」1972年9月号)。これは健康長寿と食事についてのもので、中国に古くからある薬食同源思想を紹介するとき、薬では化学薬品と誤解されるので、薬を医に代え医食同源を造語し、拡大解釈したものである、と新居裕久は述懐しています。”

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