ドラタワ05

ドラえもんの魅力はなんといっても・・・
四次元ポケットから出てくる不思議な効力を持った数々のアイテム『ひみつ道具 』です。藤子不二雄の師匠の「手塚治虫」や長谷川町子の師匠の「田川水泡」は魅力的な作品を書いていますが、『どらえもん』や『サザエさん』のように現代でも読まれているかというと、そうでもありません。

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手塚治虫も『鉄腕アトム』で未来のことを相当書いているにもかかわらず、「タケコプター」や「どこでもドア」といった誰でも知っている未来のアイテムがありません。パソコンに代表される最新機器は、数年すると陳腐化されます。昔は携帯電話を持っていることがステイタスでしたが、今はスマートフォンに取って代わられ「ガラケー」などといわれレガシーになってしまいました。

さらに昔は、冷蔵庫、テレビ、洗濯機(三種の神器)があこがれでしたし、そういうものを持つことが幸せでした。実際、車は持っているだけでもてた時代もあったし、それがベンツやフェラーリじゃないと威張れなくなってきた時代もありました。

しかしながら、最近のようにものが余ってくると(高価な)ものを所有しているだけでは威張りが効かなくなってきたのです。iPhoneやiPadのように「クラウド」に繋がっていないと『御利益』がありません。iPhoneのいいところは、クラウドのようなよくわからない「御利益」がついているところです。

私は20年ぐらい前にカリフォルニア大学だったと思いますが、スティーブン・ジョブスがクラウドに近い構想を持っているということを講演で聴いて感動した記憶があります。マックがまだ、漢字Talk7.5ぐらいだったときです。でも、その当時ジョブスの話は誰も耳を貸していなかったのです。

いまでは時代がジョブスに追いついてiPhoneは御利益満載の「ひみつ道具」になったのです。

<いいたいことを要約すると>

モノが余っている現代では他より高性能といった「モノ」に主眼が置かれている日本商品は売れず、SONYからコンセプトをパクったといわれようと、クラウドのような『御利益』がついているアップルの商品が売れるのです。

ドラえもんの『ひみつ道具』に魅力があり時を経てもみんながわくわくするのは、ひみつ道具に「御利益」が付いているからです。

長くなりましたが、だんだんいいたいことがわかっていただけたと思います。もう、みんなモノそのものには魅力を感じず。そのものが持つ『御利益』の方に魅せられる時代になってきたということです。

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