前回は「御利益」と「お守り」について書きました。私たちはこの御利益のついているお守りのことを
『プレミアム』と呼んでいます。
そして、むかしプレミアムだったんだけど、その御利益がすっかになくなってしまったお守りのことを『レガシー』と呼びます。
ソニーは昔、プレミアムでしたが、いまはただのレガシーです。ソニーがプレミアムだった頃は、Vaioやウォークマン、プレステにはイバリがありましたが、メモリースティックやATRACなど富の独占をはかり、まんまとその牙城をアップルにさらわれたのです。アップルもProRes 4444とかサンダーボルトの独自路線です。でも、アップルは『プレミアム』でソニーは『レガシー』です。
なぜでしょう?
アップルはドラえもんの道具を持った「のび太」でその多くの「ひみつ道具」は買収で得たものです。ソニーはできすぎ君で、その技術の多くは自己開発です。
つまりソニーは、『お守り』自体の価値を高くすることばかりにとらわれ、御利益がすっかり失われていることに気がつかなかったのです。
ソニー信者の中にはまだ、御利益が切れていることすら気がついてない人が多いのです。同義語に「ニコ爺」があります。
マックはそこそこ「お守り」を立派に作り、御利益を加えることに余念がありません。お守り自体よりも「御利益」の方が大事なことを知っているからです。
これはドラえもんで容易に説明が出来ます。
ドラえもんとアトムを比べてみましょう。(マジンガーやトランスフォーマーでもいいですが)ドラえもんはドラえもん自体が高性能なわけではなく、未来では、どちらかというと中の下です。
「アトム」や「マジンガー」はそれ自体が非常に高性能で、ほかの物と比べられません。20世紀はアトムやマジンガーを作ることがあこがれであり、目標でした。
でも、「アトム」や「マジンガー」は技術革新が進み、どんどん作れるようになってくると、
「マジンガー」が「グレイト・マジンガー」になっても一般の人にとって変わりがあるわけではありません。
ドラえもんの凄いところは、
ドラえもん自身の高性能さを売りにしているのではなく、四次元ポケットから出てくる『ひみつ』道具がもつ御利益を、売りにしているのです。
友達がマジンガーに持ってたら、それはそれで凄いのですが、自分が乗れるわけでもなく、(危険ですしね)それがジェット機やフェラーリでもたいして変わりません。
でも、友達がドラえもんの「秘密道具」を持っていたらどうですか?
絶対借りるのに頭を下げちゃいますよね?
地球を守る無敵のマジンガーよりドラえもんの秘密道具の方が「御利益」が大きいのがおわかりになるでしょう?
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